つとむくんへ
ばあちゃんの書き残した手紙
葬式は身内だけでとか
ピエロの人形(自分で作ったお気に入りのやつ)一緒に入れて下さいとか
その中に見知らぬ名前宛の手紙があった。
ばあちゃんが10代後半の頃、弟のように慕っていた人への手紙だった。
一緒にミュージカルをみに行ったネ
結婚が決まって離ればなれになる前に二人で泣いたとか
きっと初恋の人だったんだろう
書き記したのは80歳くらいの倒れる前の頃のはず
60年近く想いを抱えてたのかな
おじいちゃんとは顔も見ずに結婚して(そんな時代だったんだなぁ)
おじいちゃんや、お父さん達や私たちと過ごした日々は
幸せであったと思っていて欲しいけれど
手紙を読んだ私の心の中にはまだ二十歳にもならないばあちゃんの姿があった
少女だった。
なにかのシナリオじゃないの?っいうぐらい情熱的で、ドラマチックで
その手紙を宛てた人はニューギニアの戦地で亡くなったらしい。
電報を受け取ったとき、きっとものすごく悲しかっただろう。
天国で探して会いに行きますって書いてた
会えなくなって70年も経ったから探すの大変だろうけど
おじいちゃんにはちょっと許してねって感じだけど
会えたらいいなってうちは思った。